Excel の「マクロ記録」使ったことありますか? Excel の 「マクロ」は Excel に付属しているプログラム機能のことです。マクロは古い呼び方で、現在の正式名称は、Visual Basic For Applications (VBA)です。マクロ記録は、プログラムの知識がなくても、一連の作業を ICレコーダーに録音するみたいな感じで、記録しておいて、必要な時に呼び出して使えるようにする機能です。ところが、この機能を実務的に使うためにはコツがいるんです。今回は、このコツを解説しようと思います。

マクロ記録が便利なシーンとは

例えば、こんな風に、あるパターンに従って繰り返しのある作業 がマクロ記録には向いています。

全然実務的じゃなくてすみません。これはイメージです (^^;)
1行ごとに行を削除するとか、カレンダーで曜日ごとに色を塗るように、ルールのある繰り返しがあるとき、マクロ記録は効果を発揮します。

鍵は「相対参照」

Excel マクロ記録を便利に使うためのコツとは「相対参照」のことです。相対参照? なんだか難しい言葉が出てきました。Excelには「相対参照」と「絶対参照」という考え方があるんですが、言葉で説明すると難しいので、絵で説明します。

上の絵を見ていただければ分かると思いますが、一応解説します。難しいので飛ばしてもらってOKです。

絶対参照は固定された住所そのもの。Excelで言えば、A1 とか B1 とかのセルの番地になります。一方、相対参照は何かを基準にして位置を決めること。Aさんが動けば、家の場所も変わります。Excelで言えば、アクティブセル(今カーソルのある位置)が基準になります。

Excelでマクロ記録機能を使う準備

では、マクロ記録機能を試してみましょう!!
インストールしたばかりのExcelにはマクロ記録ボタンがないので、追加します。

1.ファイルメニューをクリックします

2.オプションをクリックします

3.リボンのユーザー設定で、開発にチェックをつけて、OKをクリックします

これで、準備OKです。

マクロに記録する前に、まず練習

マクロ記録を使う前に、何を記録するのか、操作を1度確認しておきます。今回は、冒頭にあげた格子状の塗りつぶしに挑戦します。え~まじ?と思った方は、騙されたと思って、やってみてくださいね!

1.まず適当な範囲に色を塗ります。何色でもOK

2.次に、A1のセルをクリックします

3.クリアの「すべてクリア」をクリックして、色を消します

4.カーソルを二つ下のA3セルへ移動します【最重要ポイント!】

これは重要ポイントなので、絶対省略しないでくださいね。

この一連の操作をマクロ記録で記録させてみましょう。
いったん全部塗りつぶしておいてください。

いよいよ、マクロ記録を使ってみる

1.開発をクリックし、「相対参照で記録」をクリック

相対参照で記録がグレーになっているのを確認します。(ここ大事!)
カーソルはどこでも良いですが、説明のため、とりあえずA1に置きます

 2.「マクロの記録」をクリックします

マクロの記録ダイアログボックスが表示されます。
マクロ名、ショートカットキー、マクロの保存先、説明を設定します。

マクロ名は、何のマクロか分かるように入れますが、今回は Macro1 のままで。

ショートカットキーは、コピー(Ctrl+C)とか、切り取り(Ctrl+X)とか良く使うものと被らないように注意。今回は小文字のエルにしました。

マクロの保存先は、「作業中のブック」にすると、今回のブックだけに保存されます。「個人用マクロブック」に保存すると、Excel を使うたびに利用できます。

3.マクロ記録スタート!

OKをクリックすると、マクロの記録ボタンは「記録終了」ボタンに変わり、マクロ記録がスタートします。ここからは余計な操作はしないように! 音は記録されないので、息は止めなくてOK。

記録が始まったら、リボンの「ホーム」へ行き、「クリア」で「すべてクリア」を選び、A1を消去します。

カーソルをA3に移動させてから(ここ重要!)、「開発」に戻り、「記録終了」ボタンをクリックします。

4.記録されたマクロを試してみます

カーソルはA3にあるので、そのまま、ショートカットキー(Ctrl+l)で実行します。繰り返し実行すると、格子状に消されていきます。A列が終わったら、B2にカーソルを動かし、同じようにショートカットキーを繰り返します。

楽しいですね♪

今回学んだこと

いかがでしょう? マクロ記録、使えそうですか?
「なんだよ、全然実務的じゃないじゃないか」と思われた方に、もう少し解説しますね。

マクロを相対参照で記録することで、今カーソルのあるところ に処理を実行できるんです。例えば、タイトルなど、良く使うスタイルを記録させておけば、アクティブセルに複数のスタイルをワンタッチでかけることができます。

また、操作の後、カーソルをどこに置くか によって、全ての手順を記録させなくても、連続の作業を楽に繰り返させることができるんですよー。

さっきは、1マスずつクリアしましたが、1行ずつ挿入していくのも簡単だし、見やすいように1行ずつ色をつけていくなんていう作業にも応用できますよね!

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せっかくの便利な機能なので、是非活用してみてください(*^▽^*)