ヤマトさんなければネットショップなしというぐらいヤマトさんには大変お世話になっています。でもヤマトさんは超巨大企業なので、複雑過ぎて、いつも説明するのが大変です。きっと困っている人が多いだろうと思いますので、ヤマトさんには余計なお世話なのかもしれませんが、ここでまとめて解説してみます。

ヤマトさんが複雑な理由

ヤマトグループには、ヤマト運輸さん、ヤマトフィナンシャルさん、ヤマトシステム開発さんと、たくさんの会社があります。そのたくさんの会社の中で、たくさんの社員さんが働いています。それぞれの会社の社員さんは、自分の業務には詳しいですが、自分の業務の範囲外のことにはあまり詳しくありません。

でも、私たち一般の消費者にとって、ヤマトさんはヤマトさん。荷物を運んでくれるドライバーさんもヤマトさんですし、伝票を印刷するソフトを作っている会社もヤマトさん、回収した代引手数料をネットショップの銀行に振り込んでくれるのもヤマトさん。みんな別会社だなんて思っていません。

だから、「伝票が印刷できないんだけど」ってドライバーさんに聞いたり、配送センターに電話して「代引手数料が振り込まれるのはいつですか?」なんて聞いちゃったりしています。この程度の質問なら「こちらに問い合わせてください」って担当会社の電話番号を伝えれば良いですが、もう少し複雑なことになってくると、ヤマトさん自身も「それはどこの担当なんだろう」って考えちゃったりしているみたいです。

追記 ★2020年7月1日★

こんなメールが届きました! 「ヤマト運輸株式会社は2021年4月1日をもちまして、グループ他7社と統合致します」

統合する会社は以下の7社です。これは嬉しい。夢のようです。

    • ヤマト運輸株式会社(統合による存続・承継会社)
    • ヤマトグローバルエキスプレス株式会社
    • ヤマトロジスティクス株式会社
    • ヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社
    • ヤマトパッキングサービス株式会社
    • ヤマト包装技術研究所株式会社
    • ヤマトフィナンシャル株式会社
    • ヤマトシステム開発株式会社 (e-通販ソリューション事業および地域統括部門)

他の会社はよく分かりませんが、フィナンシャルさんとシステム開発さんは結構重複業務があると思うんですよね。

らくうるカートとe-ネコショップとか、B2クラウドと産直くんとか。今後どうなるのか楽しみです。

ヤマトWebコレクトの EC-CUBE 2系用プラグインでダウンロードした CSV ファイルを、ヤマトシステム開発さんの「産直くん」に取り込んだあと、発送しましたメールを出そうとして、「産直くん」から送付状番号をエクスポートしようとしたら「エラー」になってしまい、色々調べたところ、プラグインが「産直くん」に対応していないことが分かり、「産直くん」の担当者に修正を頼んだところ、「プラグインはヤマトフィンシャルが作っていて、うちとは別会社ですから」と言われショックを受けたことが昨日のことのように思い出されます。

・・・以上で追記を終わります。

ヤマト運輸さんの送り状を印刷する方法は2つ

ヤマトビジネスメンバーズ

ネットショップで配送業者をヤマトさんにお願いするのなら、まずヤマトビジネスメンバーズの会員になりましょう。ヤマトビジネスメンバーズの会員になれば、ヤマト運輸さんの「送り状」を印刷するソフト「B2クラウド」が使えるようになります。

申し込みはネットからがお勧めです。ドライバーさんに申し込むと意味が通じなかったりするみたいです。申し込むと、会員用のIDとパスワードは、担当のヤマト運輸のドライバーさんが持ってきてくれます。地域によってはメールで届くところもあるのかもしれません。

ヤマトビジネスメンバーズ

ちなみに、ヤマト運輸さんの送り状を印刷するソフト B2 には2種類あります。一つが上記でご紹介した「B2クラウド」で、もう一つが、パソコンにインストールして使うローカル版のB2です。

ローカル版 B2 は、とても使い勝手が良く気に入っていたのですが、新規の申し込みは終了しており、利用も 2018年3月までとなっているそうです。非常に残念です。

ヤマトシステム開発さんの「産直くん」

ヤマト運輸さんの送り状を印刷できるソフトは、もう一つあります。ヤマトシステム開発さんの「産直くん」です。そうです。B2クラウドは「ヤマト運輸」さんで、産直くんは「ヤマトシステム開発」というように、提供会社が違うというところがポイントになります。

B2と産直くんの違いですが、B2は送り状印刷専用であるのに対し、産直くんは請求書発行から決済まで総合支援してくれるソフトです。

ただし、B2はヤマトビジネスメンバーズの中の一つの機能で、ヤマトビジネスメンバーズには請求書発行機能もあったりするので、だいぶ違いが分かりにくくなってきてますね。そして、ヤマトビジネスメンバーズは無料ですが、産直くんは有料のサービスという点も注意が必要ですね。

ヤマトさんの決済代行会社

ヤマトフィナンシャル

ヤマトグループさんで決済の役割を担っているのは ヤマトフィナンシャル さんです。

ヤマトフィナンシャル

代金引換も、ヤマトフィナンシャルさんのサービスですが、すでにヤマト運輸さんと取り引きにある会社は、申し込みがヤマト運輸のドライバーさん経由になるので、ヤマト運輸さんのサービスだと勘違いしている方も多いかもしれません。ネットショップで、ヤマト運輸さんに代金引換をお願いする場合は申し込みが必要になります。利用される方は早めに申し込んでおきましょう。

ヤマトシステム会社さんにも収納サービスがある

産直くんにはコンビニ払いの機能があります。契約すると、産直くんから専用のコンビニ払いの帳票を印刷できます。バーコードがついていて、商品に同梱できます。このサービスは、直接ヤマトシステム開発さんが提供しています。つまり、決済は全てヤマトフィナンシャルさんというわけでもないのです。ここが複雑。

コンビニ払いにも2種類あって、商品に伝票を同梱するのではなく、ネットショップ上でバーコードを印刷できるようにして(またはメールでコードを連絡したりする)、そのバーコードでコンビニ決済する方法もあります。ヤマトフィナンシャルさんがサービスを提供しています。

ネットショップ と ヤマトさんとの連携

ネットショップシステムとヤマトさんの各種サービスは、以下のシーンでの連携があると便利です。EC-CUBE ならシーンに合わせて自在にカスタマイズできます。カスタマイズ方法は、こちらで少しずつ取り上げていこうと思います。

EC-CUBE 以外のカートシステムを選び場合は、対応しているかどうか調べてから契約した方が良いでしょう。

ただ、全て揃っているカートはお値段も良いということは言えると思います。

商品のお届け先情報を B2(または産直くん) へ

送り状に送り主とお届け先を印刷します。送り状には、宅配業者さんの伝票番号を印刷する必要があるため、ネットショップで独自の送り状を出すことができません。ヤマトさんの送り状は、B2クラウドか産直くんで印刷することになりますので、ネットショップでは、どちらかのソフトに CSV 出力する機能が必須です。もちろん、手でコピペしても良いですが、量が増えてくると大変です。

B2(または産直くん)の伝票番号を ネットショップ へ

お客様に発送完了メールを出す時、送り状番号が必要になります。ヤマトさんの送り状番号は12ケタになります。メールを出すとき、手入力してもよいですが、やはり CSVで出力して、自動で ネットショップ に取り込めた方が楽です。

ネットショップとクレジットカードなどの決済システム

ネットショップでクレジットカードやコンビニ払いなどの決済を導入するには、ヤマトフィナンシャルさんとネットショップを連携させる必要があります。連携方法は、リンク式と埋め込み式(API式)があります。

リンク式

リンク式とは、お支払の時に、決済代行会社(ヤマトフィナンシャルさん)のサイトに行ってもらって、そちらで決済してもらう方法です。ネットショップは、導入が簡単で、カード情報を持たなくて良いのでセキュリティ上安心ですが、決済されずに画面を閉じられてしまう可能性があります。決済されたかどうかは、決済代行会社の情報を見て判断するなどの手間がかかります。

埋め込み式(API式)

埋め込み式(API式)は自社サイト内に決済会社のシステムを組み込む方式です。お店と決済会社双方がデータ通信する必要があり、組み込むためには独自SSLを導入したり、IPアドレスを固定したりするなど難易度が高くなります。その分、お客様が自店舗内で決済してくれるので、決済してくれたかどうかをお店で把握するのが簡単になります。

B2(または産直くん)の伝票番号を決済会社へ

ヤマトフィナンシャルさんのクレジットカード決済では、商品を発送した後、ヤマトフィナンシャルさんの提供している管理画面から発送した商品の伝票番号12ケタを入力しないと代金が引き落とされない仕組みになっています。こちらも連携する必要があります。手入力でももちろんOKですが。

ここが不思議なんですが、ヤマトフィナンシャルで提供されているクロネコWebコレクトなどの決済サービスをネットショップで利用すれば、B2や産直くんとは同じヤマトどうしなんですから自動で連携しそうなものなんですが、B2クラウドでは連携できないそうです。(2017年11月18日現在) ローカル版のB2ではできたので、余計モヤモヤします。

また、産直くんで送り状を印刷した場合も、通常はクロネコWebコレクトとは連携していないそうです。EC-CUBE に リンク式でクロネコWebコレクトを導入して、ネット上でカード決済やコンビニ決済をした場合、通常はヤマトフィナンシャルさんの管理画面で、いちいち送り状番号を登録しないと代金が引き落とされない仕組みになっています。自動で連携させるためには、埋め込み式(API式)で決済サービスを導入する必要があるとのことです。

ヤマトさんが運営するネットショップ

eネコショップは、ヤマトさんが独自に提供しているネットショップです。提供しているのはヤマトシステム開発さんです。eネコショップと、産直くんを使うと、伝票番号の連携も、決済代行会社との連携も全てが網羅されていて、簡単にネットショップを運営することができます。

eネコショップ

ただし、eネコショップは WordPress との連携ができず集客力が期待できません。また、月々無料の EC-CUBE に比べ、eネコショップは月15,000円かかり、産直くんも有料です。新しくネットショップの開業を検討している中小のショップが導入するのは、あまり現実的ではありません。はじめは大変でも、伝票番号の入力は手入力で頑張るとか、決済もペイパルなどの手数料の安い会社を利用するなど、何もかも万全に準備する必要はありません。

eネコショップは、知名度があって、月々の注文数が膨大で、人手をかけずに運営したいというショップさんにはお勧めできるかもしれません。

ややこしいことに、ヤマトさんが運営するネットショップはもう一つあります。ヤマトフィナンシャルさんの「らくうるカート」です。eネコショップの後にできました。詳細はこちら。eネコショップより運用費用は安いようです。

クロネコヤマトのネットショップ開業サービス「らくうるカート」なら、月あたり300円で簡単にネットショップ店長になれます。初めてでも、簡単にネットショップ作成できるテンプレートがあって安心。開業に必須の配送・クレジットカード決済も、ヤマトグループでまとめて導入・運用できるから、らくちん!コンビニ受取・スマホ対応・会員機能も標準装備で、購入者に選ばれるショップになります。まずは30日間無料お試しから、ヤマトフィナンシャルの「らくうるカート」でネットショップ開設にチャレンジ!!

続編書きました!

ネットショップを運営していると、避けては通れないのが「宅配便伝票」づくり。小さい規模で運営している農家さんはいまだに手書きだったり、メールで注文を受けてコピペで作っていたり。なんだか効率悪いなぁと思いながらも日々の忙しさに追われる中でなかなか改善できないでいるという方は多いのではないでしょうか。私も自分でソフトを作ってみたり、試行錯誤しながら毎年何とかこなしていたのですが、年々注文数が多くなる中で、とても一人ではさばけなくなってきており、どうにかならないかと考えていたところ、知人からすごいソ...