日本生まれのネットショップCMS である EC-CUBE は手軽にネットショップを構築できて、知識さえあればカスタマイズも自由にできるので人気です。ここでは、EC-CUBE3 のインストール方法をできるだけ詳しく解説します。

EC-CUBE お勧めの理由

楽天市場や Amazon は出店料をとられるし、高機能なショッピングカートは高い月額利用料を払う必要があります。かと言って、BASE や カラーミーなどの格安カートでは物足りない。EC-CUBE は、そんな方に超お勧めです。高機能なのに無料で使うことができます。

唯一の欠点は、インストールやメンテナンスに手間がかかり、使いこなすには、ある程度の知識が必要なことでしょうか。でも、レスポンシブに対応した新バージョン(EC-CUBE 3系)が登場から1年以上経過しました。プラグインも揃ってきたし、だいぶ敷居が下がってきたように感じます。せっかくなので使ってみてはいかがでしょうか?

というわけで、今回はインストールについて。これからレンタルサーバーを用意される方は、システム要件がありますので、チェックしてみてください。

なお、2018年9月末に、EC-CUBE 4 がリリースされることが決まりました。EC-CUBE 3 は継続してサポートされますが、私は、EC-CUBE 2.13 系をお勧めしています。詳細は以下の投稿をご参照ください。

現在、EC-CUBE は、2系(2.13系) と3系が混在しています。両方を導入した経験から、2系と3系の違いについて語ってみます。こちらの記事は昨年書いた記事ですが、大幅に加筆訂正しました。EC-CUBE に 2.13系と3系が混在しているのはなぜか?自動で、アップデートができないEC-CUBE 3系が登場したとき、開発元であるロックオン社は、EC-CUBE 2.13系の開発を終了すると宣言しました。ところが、EC-CUBE 3系 と EC-CUBE 2.13系は仕組みが全く異なるため、WordPressのような自動更新ができず、ほぼ作り直しになってしまいます。新し...

EC-CUBE 対応のお勧めレンタルサーバー

ロリポップ!
月250円から使える格安レンタルサーバーです。小さいショップにお勧めです。
さくらのレンタルサーバ
スタンダードプランでは、月515円でEC-CUBEが使えます。
エックスサーバー
月900円と低価格ながら高機能のレンタルサーバーです。

今回は、現在利用させてもらっているエックスサーバーへのインストール方法をご紹介します。

インストール準備

PHP のバージョンチェック

先ほどのシステム要件を見ると、PHPのバージョンは「PHP5.3.9 ~ 7.0.x」となっています。ところが、EC-CUBE にもバージョンがあって、PHP7 に対応しているのは、EC-CUBE 3.0.11 以降になりますので注意! エックスサーバーでは、サーバーパネルで PHP の バージョンを切り替えられますが、WordPress など、他のプログラムが既にインストールしてある場合、PHP のバージョンを変えると動かなくなる可能性があります。

今どきは問題ないと思いますが、心配な方はインストールするサーバーの PHP のバージョンをチェックしておきましょう。
php_ver_change

ドメインを取得し、SSL を契約する

ドメインを取得し、SSL を設定します。ネットショップでは、SSL は必須ですし、インストール前に SSL に対応しておけば、後で変更する手間が省けます。
エックスサーバでは無料で SSLが使えますので、インストール前に設定しておきましょう。設定後、使えるようになるまで1時間程度かかります。
SSL の詳細や、設定方法などは、こちらに書きました。

Googleが、SSLに対応しているサイトを上位表示しようとしているらしいですが、そもそもSSLとは何か、難しい言葉ナシで説明してみようと思います。そもそもインターネット上でのやり取りはダダ漏れもともとインターネットは、秘密情報をやり取りするためのものじゃなかったので、ネットワークを飛び交う情報は暗号化されていません。今日のごはんは何か、とか、太郎くんは花子ちゃんに気があるとか、そういう日常会話が盗聴されるのはたいして問題ではないですが、これがIDやパスワードだったらヤバいですよね?例えば、これが WordPres...

データベースを準備

データベースのセットアップも自動でしてくれますが、何となく習慣で、データベースは手動で準備してみます。
WordPress など、他のプログラムでもデータベースを利用している場合、同じユーザー名を使うこともできます。

エックスサーバーのサーバーパネルトップメニューで、MySQL設定をクリックします

mysql_setting

MySQL設定タブをクリックし、以下のとおり設定します

mysql_setting5

MySQLユーザー追加タブをクリックします

MySQLユーザーを他のプログラムのユーザーと同一にしたい場合、この手順は省略できます
mysql_setting3

追加したユーザーが、作成したデータベースを使えるようにします

すでに存在するユーザーを使いたい場合は、こちらで設定します
mysql_setting4

いよいよEC-CUBE3のインストール

エックスサーバーでは、自動インストール機能を使えば、簡単にインストールできます。ただ、EC-CUBE3 がバージョンアップされても、すぐには反映されません。

EC-CUBE3 は、WordPress と同じように、「更新が簡単」という特徴が挙げられていますがプラグインのアップデートのことを考えると、まだまだ更新のハードルは高いです。

ですから、インストールするときは、できるだけ最新のバージョンのインストールがお勧めです。
(稀に不具合があって、発表直後にバージョンアップが撤回されることもあるので、様子を見た方が良いときもあります)

最新のバージョンをインストールするときは、自動インストール機能は使えませんので、手動でインストールすることになります。

以降、自動と手動でのインストール方法について説明します。2017年8月1日現在最新の EC-CUBE 3.0.15 で解説しています。2017年10月現在、エックスサーバーの自動インストールは EC-CUBE 3.0.15 です。手動は大変なので、最新版が提供されていれば自動インストールがお勧めです。

エックスサーバーで EC-CUBE3 を自動インストールする方法

エックスサーバーのサーバーパネルトップメニューで、自動インストールをクリックします。

eccube3_install

プログラムのインストールタブで、EC-CUBEのインストール設定をクリックします

eccube3_install2

インストール情報を入力します

eccube3_install5

確認画面が表示されるので、インストール(確定)をクリックします

自動インストールはこれで完了です。

EC-CUBE3 を手動でインストールする方法

EC-CUBE の公式サイトにアクセスし、上部メニューの「無料ダウンロード」をクリックします。

EC-CUBE 公式サイト

ECサイト構築・リニューアルなら「EC-CUBE」。ASPではできなかった独自性の高いECサイトが、無料で手に入ります。

最新版ダウンロードをクリックし、はじめての方は会員登録します。
(2017.7.25 現在、最新版は 3.0.15 なので、このバージョンで説明しています。)

メールマガジンは、EC-CUBE の不具合などの情報が届きますので、必ず受信するようにしましょう。

会員登録後ログインして、最新版をダウンロードし、解凍します。
解凍にちょっと時間がかかりますね。解凍後はこんな感じ。

FTP で、公開フォルダ(エックスサーバーなら「public_html」フォルダ内)に 「tests」フォルダ以外をアップロードします。

エックスサーバーでアップロードすると、ファイル構成はこんな感じになりました。
間違えて「tests」が入っちゃいましたが、なくても動きます。

次に、もとからあった 「.htaccess 」ファイルを削除するか、ファイル名を変更します。
そして、「.htaccess.sample」の「.sample」を取り、こちらを「.htaccess」ファイルにします。

ブラウザからこのフォルダの中にある「install.php」にアクセスします。

上部にエラーが表示されました。

mod_rewrite が有効になっているか不明です

まず、「mod_rewrite」ですが、サーバーによっては、https://xxxx.com/ ではなく、https://xxxx.com/index.php と入れないとトップページが表示されないケースがあるらしく、それを回避するために入れているみたいです。

mod_rewriteを標準では使わないようにした方がいいんじゃないでしょうか?

先ほど名前を変更した .htaccess 内を見てみると、それらしい記述があるので、こちらは OK ですね。

APC 拡張モジュールが有効になっていません

もう一つの「APC 拡張モジュール」ですが、こちらは EC-CUBE を高速で動かすためのモジュールだそうです。
エックスサーバーでは、現在、PHP高速化設定が標準なので、特に何もしなくて大丈夫そうです。
古いサーバーの場合は、手動で設定する必要があるようです。

レンタルサーバー「エックスサーバー」のご利用マニュアル|プログラムの動作をFastCGI化することでCPU負荷を軽減し、プログラムの高速化を図る「PHP高速化設定」に関するご案内です。

今回は、特に問題なさそうなので、「次へ進む」をクリックしていき、店舗情報を入力します。
店舗名やメールアドレスは後で修正できます。

「サイトへのアクセスを、SSL(https)経由に制限します」のチェックは付けてインストールしたいですね。
(ただし、ここで SSL の準備が整っていないとエラーになります)

データベース情報を正しく入力します。


これで完成。ログインすると上部にオレンジ色の警告が出ます。
安全のため、FTP で、html/install.php を削除しておきましょう。

インストール後の調整

html フォルダをやめて、ドメイン直下にしたい

WordPress をトップページにする

WordPress をインストールして、WordPress をトップページにし、その中で EC-CUBE を利用するという方法もあります。
詳細は、こちらで書いてます。

この記事は内容がだいぶ古くなっています。今は、WordPress と EC-CUBE の組み合わせはお勧めしていません。詳しくはこちらのエントリーをご参照ください。(2019.9.13 追記)WordPress と EC-CUBE を同じドメインにインストールするのは、わりと簡単にできます。ブログやコンテンツは WordPress を使い、ショッピングカートは EC-CUBE を使えば、月額無料で集客力のあるネットショップを運営できるので、是非挑戦してみてください。(レンタルサーバー代や決済基本料は別途必要になります)EC-CUBE+WordPressがなぜスゴイのか?ネッ...

 

EC-CUBE をトップページにする

売れ筋商品などネットショップを売りにしたいサイトは EC-CUBE をトップページにするのがお勧めです。
例えば、https://xxxxxx.com/html/ になっているところを、https://xxxxxx.com/ で EC-CUBE のトップページを表示させるには、まず、html 内にある index.php をダウンロードして、index.php から見た autoload.php の位置を変更します。以下のようにコメント部分を変更すればOK。

修正した index.php を https://xxxxxx.com に FTP でアップロードします。
ちゃんと表示されるか確認しましょう。

EC-CUBE の テンプレートを変更したい

EC-CUBE のテンプレートは app/template 内にあります。default は公開用。admin は管理画面用です。
ただ、インストール時は空になっていて、空の場合は src/Eccube/Resource/template を見に行くようになっています。

新しく、テンプレートを作るには、まず、FTP で、src/Eccube/Resource/template/default の中のフォルダとファイルを全て app/template/default にアップロードします。

管理画面にログインし、左側の「テンプレート一覧」をクリックし、デフォルトテンプレートをいったんダウンロードします

左側のメニューからアップロードを選び、テンプレートコードとテンプレート名を半角アルファベットで入力します。
参照ボタンをクリックして、先ほどダウンロードしたファイルを選択し、「アップロード」ボタンをクリックします。

新しく名前をつけたテンプレートが表示されますので、選択して「登録」をクリックします。

FTP で接続すると、新しいテンプレートフォルダが追加されていますので、このフォルダごとダウンロードします。

ダウンロードしたフォルダ内のファイルを変更することで、EC-CUBE のページレイアウトを変更できます。

例えば、index.twig の {% block main %} の下に適当な文字を入力して、FTP で元の場所に上書きでアップロードします。
日本語を入れるときは文字コードは「UTF-8 BOM無し」にして保存しないと、文字が化けます。

正しく表示されたら成功です